今回の記事は螺旋階段さんから投稿していただいたクイズになります!
世の中には、小説の最初の1文でタイトルを当てる「書き出しクイズ」や、「小説書き出しの続きだけでも分かる説。」、最後の1文でタイトルを当てるクイズなど、小説の中のある1文からタイトルを答えさせるクイズはいろいろあります(この3つ以外見たことないけど)。
そこで僕は思いました。
「これ、最初でも最後でもない、途中の1文からでもタイトル分かるんじゃね?」
ということで、小説の中の最初でも最後でもないところから1文を持ってきたので、その小説のタイトルを当ててください!
参考までに、解説の所に書き出しの1文も載せておきます。
今回は10問!
- ①この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。
- 『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)
書き出し:ある日の事でございます。
- ②網さばきが終って、何時からでも蟹漁が出来るように準備が出来た。
- 『蟹工船』(小林多喜二)
書き出し:「おい地獄さ行ぐんだで!」
- ③「だからさ、西洋料理店というのは、ぼくの考えるところでは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家とこういうことなんだ。
- 『注文の多い料理店』(宮沢賢治)
書き出し:二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。
- ④竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。
- 『走れメロス』(太宰治)
書き出し:メロスは激怒した。
- ⑤丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。
- 『檸檬』(梶井基次郎)
「黄金色に輝く恐ろしい爆弾」= 檸檬 です。
書き出し:えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。
- ⑥残月の光をたよりに林中の草地を通って行った時、果して一匹の猛虎が叢の中から躍り出た。
- 『山月記』(中島敦)
「あぶないところだった。」「その声は、我が友、李徴子ではないか?」。
書き出し:隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。
- ⑦ところがその晩に、Kは自殺して死んでしまったのです。
- 『こゝろ』(夏目漱石)
とんでもないネタバレ。
書き出し:私はその人を常に先生と呼んでいた。
- ⑧そのとき風がどうと吹いて来て教室のガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱や栗の木はみんな変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようでした。
- 『風の又三郎』(宮沢賢治)
この文の後には、すると嘉助がすぐ叫びました。「ああわかった。あいつは風の又三郎だぞ。」と続きます。
冒頭の詩のような部分(どっどど…の部分)が有名ですが、その後には普通の(と言っては失礼かもしれませんが)小説が書かれています。
書き出し:どっどど どどうど どどうど どどう
- ⑨家の中を見ると、土間に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
- 『ごん狐』(新見南吉)
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。」
書き出し:これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。
- ⑩芸人達はそれぞれに天城を越えた時と同じ荷物を持った。
- 『伊豆の踊子』(川端康成)
書き出しに「天城峠」が含まれていることや、石川さゆりの代表曲の『天城越え』の舞台が伊豆の天城峠であることを知っていれば推測できるかもしれません。
書き出し:道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨足が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。
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